電池切れ

ウチの母推定61歳がついに携帯電話を持った。
 
メールに場違いな変な絵文字を入れてくる、誤変換のまま送信される、最近よくある笑い話。だがおそらくウチには無縁と思われる。
 
ウチの母の場合、
 
「メールって何〜〜?」まずメールが何なのか理解していない。
それもわからずなぜメール契約した?
 
「携帯が動かないのよ〜」僕が充電が切れたんじゃないかと指摘すると、
「電池がなくなるのかね〜〜」
どうやら永遠だと思っていたようだ。ある意味斬新な発想。
 
携帯できるほとんど全てのデバイスは電池もしくは充電池駆動。大昔からある腕時計ですらそう。電池が切れる概念すら知らないとは。筋金入りの無知である。
 
ばあちゃん(母の母)も家電話の子機の充電が切れて、「壊れた」と電気屋を呼んだ伝説を自ら語ってたからな。遺伝かもしれぬ。
 
母にはまず何から教えればいいのか、
「電池残量メーターがゼロになったら電源が切れるから充電池残量を常にチェックするように!」
「この充電器をコンセントにつないで定期的に充電するように!」
人ごみで鳴らしてしまい人様に迷惑をかけぬようマナーモードの使い方を教えたが、理解出来たかは謎である。
 
まだ僕が学生の頃、フグの刺身を常温の宅急便で送ってきてこっぴどく叱ってやったことがあったが、今思えば納得である。この人にクール宅急便を使いこなせるはずがない。
猫を10年以上飼っているのに猫にタマネギを食べさせてはいけないという基礎的なことも知らなくて唖然とした。ごめんなシロ。
機械の使い方うんぬんというよりも人としての情報収集能力が明らかに欠如している。
 
脳みその充電が切れてますね。来る日も来る日も馬鹿みたいにTV見てたらそりゃあ自然放電されますよ。
いい音楽、いい映画、いい本、いいマンガ、いいアニメ、いい景色、そしていいネコさん。脳みその充電器はそこら辺にいくらでも転がってますよ。
 
80を過ぎてパソコンを使いこなしブログまで運営、更新しているおばあちゃんも世の中にはいるのだから、本当に人の脳というものは使わなかったらどんどんダメになっていくんだなと痛感した。
 
機械の使い方はいくらでも教えるが、自分よりも20年、30年、40年、50年も長く生きている人に、礼儀やらマナーやら道徳やら常識やらそんなことを説いて回るのは本当にうんざりする。
親族に感謝はしているが、同時に軽蔑もしている。感謝=尊敬にはならない。
 
悪い人ではないよ。悪い人ではないけど、何も考えてない。そこら辺にいる典型的な日本のいい人。
こういう危機感ゼロの人でも人並みに暮して行ける日本という素晴らしい場所に心の底から感謝の念が湧いてくる。逆に言えばこういう人を社会全体で手厚く保護してるからお金がいくらあっても足りないのだとも思う。
 
あなた、長い人生でいったい何をやってきたの???
何か積み重ねてきたの???
 
僕はそう思われる人間にはなりたくないし、自分でもそう思いたくない。
人の電池に充電はできないので自分のだけは切れないように維持したい。