Blind Touch

華々しく発表されたiPhone6とApple Watchの陰で密かに消えていったiPod classic。一つの時代の流れを作り出した英雄である。
 
2002年頃だと思うが初代iPodを初めて友人に見せてもらったとき、その「モノ」としての完成度に圧倒された。さらにMDウォークマンユーザーだった僕はたくさん楽曲を持ち歩けるという事実に驚愕した。そしてデザインが圧倒的にかっこいい。当時かなりの値段がしたため買うことはできなかったが、ずっと憧れの存在だった。
 
僕にとって携帯音楽プレイヤーに必要なのは画面を見なくても操作できるブラインドタッチ機能。iPhone/iPod touch/iPod nanoはボリューム以外ブラインドタッチできない。最近発売される機種は画面を見ながら操作することが前提になっているが、それが出来ない日常のシーンはけっこうある。歩いていて楽曲を飛ばしたい時画面を見て操作するのと、ポケットに手を突っ込み早送りボタンを手探りで押すこの差は大きい。
暗闇を手探りしボタンを押す行為は美しい。人類は一つのロマンを失ったのではないか。
 
音楽プレイヤーに特化した機体だけあって、全ての楽曲を持ち出せるのは大きな魅力だった。いつのまにかiPod=音楽再生ではなくなってきて、写真閲覧に始まり、動画再生、ウェブブラウジング、アプリ遊び等続々追加され、もう音楽再生は数ある機能の一つでしかない。その結果が今回の英雄の引退だと思う。時代は変わったのだ。
 
結局iPod/iPod classicを買うことはなかったので憧れで終わってしまったが、そのブラインドタッチ遺伝子を受け継ぐ完全なる携帯音楽再生プレイヤーiPod shuffleは入手後6年になろうとしているが未だに現役。この機種の需要は低くはないと思うが、次に引退する可能性があるのは間違いなくこの小さな英雄だ。その前に2、3台買いだめしておこう。あまりにも生活必需品すぎてなくなると本当に困るからだ。
 
時代遅れなのかもしれないけど、カチッとボタンを押したいのです。
その圧倒的な安心感は押したか押してないかわからないタッチパネルでは得られないのです。
 
 
スフィンクス